ぼく

Kodoku Musicman


■桑田佳祐『孤独の太陽』(ビクターエンタテインメント)を聴き直す。
■桑田佳祐『MUSICMAN』(ビクターエンタテインメント)を聴き直す。
新旧の名盤を聴き直す。
なるほど、こうしてジャケットを並べてみると、いかに「日の丸」を意識しているかがありありだ。
つぶされたトマトから、石庭風情の静謐へ至るまでに、この国にも、ほんとうに多くのことがあった。


金環日食も、東京スカイツリーも、「ぼく」の世界で起こっていることではない。
CROSSの替え芯(8518-5;red medium)が、仕様を変えたのか、とても劣化して大いに狼狽している「ぼく」だけが真実。

不審者の模範解答

4u


■Cody Simpson『4U』(Wea Int'l)を聴く。
でも今は「Wild Ones」(Flo Rida ft.Sia)が一日中頭の中を駆け巡ってることよ。


小田原市からメールが届く。

不審者情報を送信します。教育指導課

5月15日(火)、16:40頃、小田原市蓮正寺の公園で小学生女子3名が、近づいてきた男に声をかけられ、トイレに誘われましたが、断ったため、その場で男のからだの一部を見せられる事犯が発生しました。
その後、男は近づかず、そのまま立ち去り、それ以上の被害はありませんでした。
男は、年齢が若く、やせ型で背が高く金髪で歯が出ており、服装は、ニット帽をかぶり、ネックウォーマーとめがねをし、ウィンドブレーカーの上下の中には女子用のスクール水着を着用していました。

メールを読みながら、牛乳を飲んでいなくて良かった。

をんなって凄い

夜からの痛みを粘りに粘っていた。
少しずつ短くなっていく痛みの間隔を寝床で精確に計っていた。
そして満を持して明け方、寝ぼけ眼の自分にSOSと送迎の依頼。
かかりつけの医院へ着いてから、2時間とかからずに分娩した。さすがは我が経産婦。敬服。おそれ多い。
次男の顔をガラス越しに注視する。
思いのほか鼻息が荒くて、ガラス面がくもった。

こどもの日はおとなの日

Suho


■大塚勇三『スーホーの白い馬―モンゴル民話』(赤羽末吉画、福音館書店)を読了。


トップドランカー師匠、O君、小学校教諭になったI、トリス氏と飲む。
こどもの日はおとなの日。
良い子たち、宵口にはさっさとはけて、おとなに席を譲るべし。飲めや食えやへ譲りなさい。
師匠に対して、また今夜も大きな不敬を行う。自責と二日酔いで、世界がぐわんぐわん回っています。

あなづらはしく思う

Scatman


■Scatman John『SCATMAN'S WORLD』(BMGビクター)を聴く。
懐かしい。良い。
名盤は風化しない、とは言わないけど、その風化の速度が実に遅い。


見知らぬ男が芸能リポーターらの前で号泣している。
見知らぬ男が二股交際の謝罪の言葉を述べている。
自分の人生には、そよ風すら立てないこの事象。なのに、どうしてこれほど、あなづらはしいのだろう。

久闊を叙する新宿の夜

Gatangoton


■安西水丸『がたん ごとん がたん ごとん』(福音館書店)を観了。
すばらしい。
子供を惹きつける魔法のようだ。


町田は中国名菜「翠園」にて学友らと昼食会。本気の老若男女との会話は刺激的で知的で楽しい。
食べ終えてのち、アフタヌーンティー・リビング町田東急ツインズへ行き、今夜のためにプレゼントを購う。
衆人環視の中、雨に濡れた舗装路で足を滑らせ、バック転と見まがうほどアクロバティックにひっくり返った。
夜は新宿へ流れる。
Y崎さん、MちゃんとMちゃんの良人のDちゃん、N山、S田、TちゃんとTちゃんの奥方のIさん、Yぽんと会い飲食。
結局、Y崎さんとともにMちゃんの野方の新居にタクシーで向かい、宿泊させて頂いた。大吟醸東光も頂いた。
かつての職場の同僚たち。時間なんて、あっという間に埋め合わせられる、ちょろいもんだ。
夏のように気温があがった翌日になって、昨日のバック転で打った全身が遅ればせで痛みだす。
愉快な時間には、痛む時間も惜しかろうと気を遣い黙っていてくれた俺の筋肉、俺の痛覚、俺のふしぶし。有難う。

永遠の履歴書

Photo Inoti


■ベティナ・オベルリ『マルタのやさしい刺繍』(CCRE)を観了。
■ニコラウス・ゲイハルター『いのちの食べかた』(紀伊國屋書店)を観了。


YouTubeを見ながら履歴書を書いているものだから、何度も書き損じている。
鉛筆で下書きをしていないために、間違ったら新しい履歴書に同じことを書いている。
C大学法学部卒業予定、とか書いている。そしていい感じのところまで行ったと思ったら誤る。
そして誤った手の動きから導き出される当然の動作であるかのようにして、YouTubeの画面に見入っている。
高田馬場駅前のマクドナルド、窓際のカウンター席。4枚目の履歴書まで見届けたところで自分は辞去した。
永遠に書き終えられる運命にない履歴書たちと、永遠に就職できる運命にない大学生、あるいは大学生たち。
それらを見てないようにして上手に横から眺め、深刻な小気味良さを感じている無職の三十路超え。そういう時代。

横浜鎌倉記

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■吉井和哉『The Apples』(EMIミュージックジャパン)を聴く。
丁寧に作られていると思った。この人のロックはこの人からしか生まれないロックだ。


横浜中華街の只中なるローズホテルに泊まる。中華料理を食べまくる。
翌日は、気になっていた鎌倉なる「そば切り佳人」へ行き、そばを食う。ご主人の厚遇によって美味に拍車がかかる。
荏柄天神社へお参りし、帰路につく。
そう言えば「ちい散歩」が終了するらしい。自分に一言、声をかけてくれれば良かったのに。

たしかに難しかったの

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■『銀行業務検定試験受験対策シリーズ年金アドバイザー3級<2011年10月・2012年3月受験用>』(経済法令研究会)で学習。
■『銀行業務検定試験 年金アドバイザー3級問題解説集<2012年3月受験用>』(経済法令研究会)で学習。

合格証書が届く。
成績優秀者に贈られる楯はもらえなかった。当たり前だ。合格率22.93%。
前回(2011年10月)の合格率が43.33%だったので相当な難化だ。楯を贈りすぎたことによる薄利の反省か。夜に飲酒する。

長野記

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■マーシャ・ブラウン『三びきのやぎのがらがらどん』(せたていじ訳、福音館書店)を観了。
■レオ・バスカーリア『葉っぱのフレディ―いのちの旅』(みらいなな訳、童話屋)を観了。
■モリー・バング『わたしのひかり』(さくまゆみこ訳、評論社)を観了。


長野へ旅行。
東富士五湖道路から中央自動車道、長野自動車道へ乗り継ぐ。途中、諏訪で食事。眼下に諏訪湖、はしゃぐ愚息。
豪雪の白馬、ペンション「びおれっと」に宿泊。とても厚くもてなして頂いた。一発当ててペンション経営したいなあと考える。
翌日は無論の善光寺参り。「牛に引かれて善光寺参り」を俗諺として使用しても差し支えないことを辞書で調べる。
引き続いて無論の信州そばを喰らう。ホールの女の無愛想も、大きな愛で抱きしめてあげたくなるほどに美味かった。
信濃毎日新聞の第1面コラムの名は「斜面」。パノラミックに包囲してくる山々と過ごした長野に二日。もう無関心ではない。

俳優がいる文庫

Les_triplettes_de_belleville Lillusionniste


■シルヴァン・ショメ『ベルヴィル・ランデブー』(ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)を観了。
■シルヴァン・ショメ『イリュージョニスト』(スタジオジブリ)を観了。


古本屋で中島敦の「山月記」を手に取ったら、表紙全面に岡田将生がデーンと映ってたので、そのまま棚に戻す。
映画化されたとかで腰帯に俳優がうっかりキメ顔で映っているだけでもかなりしんどい自分にとってはもうコールドゲーム。

T先生と秦野の喫茶店モントレーにて会談。国家緊急権について、校務分掌について。

大学1年の晩秋に出遭った2

Shinoisogaku Ishiki Africa Saigonosinran Kotobakarano


あらためて確認してみると、このブログでこれまでにアップした吉本隆明の書籍は共著・対談を含めて5冊。
それ以外に印象深く心に残っている書籍を、もうこれからあまり言及したりそれほどじっくり振り返ったりしないと思うから備忘と記録をかねて残しておくことにする。
このためだけにわざわざ実家に帰り本棚の前であぐらをかいて、本を取り出しつ戻しつする無職たる自分の「なにやってんだ俺」感は尋常ではなかったけれど、こういう鎮魂の形だってあるのだ。
高橋源一郎の追悼文を読んで(2012.3.19、朝日新聞)、かえってもっと悲しくなってしまった。

『死の位相学』(潮出版社、1985年)
『意識 革命 宇宙』(河出書房新社、1997年、埴谷雄高との対話)
『アフリカ的段階について―史観の拡張(春秋社、1998年)
『最後の親鸞』(ちくま学芸文庫、2002年)
『言葉からの触手』(河出文庫、2003年)
※『言葉からの触手』は詩的警句の集まりであり、端から終いまで完全に理解不能だった点で自分の読書体験で、一つの記念碑。

大学1年の晩秋に出遭った

「ああ、もっともっと勉強しなければ…」
そう思わせてくれたことが一番の学恩。
哀痛。吉本隆明歿(1924.11.25-2012.3.16)。

客室のエゴたち

Bestwrappin Naimononedari Soleil


■EGO-WRAPPIN’『ベストラッピン 1996-2008』(トイズファクトリー)を聴きなおす。
■EGO-WRAPPIN’『ないものねだりのデッドヒート』(トイズファクトリー)を聴く。
■中納良恵『ソレイユ』(トイズファクトリー)を聴きなおす。
良いに決まってる。
先日ぼーっと車を走らせながらそれと気付いた。アッ!と小さく叫んだ。快哉を。
「EGO-WRAPPIN’」って「エゴをラッピング」かあ、要は「人間」とか「人間という入れ物」の換喩だなと気付いたのだ。
なんだか胸がすいて、あらためてじっくり聴き入ってしまった。


客室での睡眠、客室での勉強
客室でのゲーム、長時間の客室利用
客室で騒ぐ等、他のお客様に迷惑になる行為
その他食事と関係のない行為

近在のマクドナルドの店内壁面に貼られてた「おやめ下さい」の一覧である。
午前1時、「客室での勉強」をかれこれ2時間ばかりしていた自分の周囲には、このリストに該当しない人間は誰一人としていないことを確認して、哲学的思考の小舟でたゆたう。
それにしても「客室」っていうのがいい。
各界から集まった曲者たちを乗せた豪華客船みたいで。

かしましの赤ワイン

Kenponyumon Minponyumon


■伊藤真『伊藤真の憲法入門 講義再現版』(日本評論社)を読了。
■伊藤真『伊藤真の民法入門 講義再現版』(日本評論社)を読了。
あとはいつ「芦部憲法」を堪能するかだ。


CONA新宿店にて会合。良い店だった。世界一周帰りのMを囲む会。
急きょスピード婚するY及びその良人を呼びつけ、東工大卒の当該良人と有機体について論議にならぬ論議。
AはAで、若くて可愛い男の子といい感じになっている。写真を見ると、ノンケ風情が可愛らしくにこにこしている。
ワインが次々に運ばれてくる。それらを次々に干して、ひっきりなしにホールの兄さんに次のボトルを注文する。
まずまずの千鳥足になりながらわいわい次の店へ移ると、酔っ払ったSがMを論難。赤ワインまみれの新宿の夜である。

ノルウェイの叔母

Norwegianwood1 Norwegianwood2


愚妻の叔母は、専ら国内だが、しょっちゅう小旅行に行っている。そのたび旅行先からお土産に菓子を買ってきてくれる。
同道するのはいつも同じ二人の友達である。総勢三名のガールズ・トラベルである。その明るい道々が想像できる。
そしてここからが本題なのだがその二人の名は、なんと直子と緑なのだ。
何が「本題」なのか、何が「なんと」なのか、てんで解らない向きもあろうが、まあそういうことなのである。
だからここで、直子がしてくれた手淫って上手だったのかな、なんて言うと解らない向きにはいっそう不思議な展開となる。
叔母さんが愚妻に語る土産話しを、そばで聞くともなく聞いていると、いつも永遠にやまない雨が静かに降り注ぐことになる。

代用機漫遊

Jpn


■Perfume『JPN』(徳間ジャパンコミュニケーションズ)を聴く。
キラキラしてる。歌詞における恋愛が老成してなくて良い。「575」グルーヴィーだなー。
世界進出へ向けてユニバーサルジャパンへ移籍とのこと。アミューズの株主としては少しでもこの評価損を減らして欲しい。


携帯の液晶画面がブラックアウトしたのが、かれこれ一カ月ほど前。
保険に入っていたので無償修理かと思いきや、基板の腐食のため今回は有償となる旨の報告を受けた。
それではこれを機にスマートフォンにでもしようかと思って、修理はペンディング、検討の猶予期間をもらった。
そこからだ。この短い猶予期間中に代用機を二台も交換したのは。いずれも代用機に致命的な不具合があった。
これだけ短期間に同種の手続きで携帯ショップの女の子の前に鎮座するものだから、一連の動作を当方も憶えてしまった。
次はあの書面に署名をさせられるな、次は誕生日を訊いてくるぞ、次はデータ消去の現認を求められるに違いない。
こうして定期的に代用機のハシゴをしていると、この都度の交換手続きこそが本来の目的のように思えてくるから奇妙だ。
すると、そもそもの手続きは何だったのかを忘れかけてしまう。現に「自分のものでない」携帯と付き合って早一カ月。
先方も代用機から代用機へのデータ転送とその事務処理に忙しく、直近の手続きの際など、あの懐かしいブラックアウトの「自分の」携帯に、少しも言い及ばなかったのである。
ならば、このまま代用機を渡り歩いてみようか。無料で多様な機種に触れられるし、気分を換えるにはちょうど良い。
手許にある三台目の代用機に視線を落としながら、しかし野望は叶わなそうだと感じている。
三度目の正直とばかり、これでもかというくらい、調子が良い。いい加減、スマートフォンの検討態勢に入ろうか。

きゃりートーク

Sink1 Sink2


■いがらしみきお『Sink1』『Sink2』(全2巻、竹書房)を観了。
まったり漫画の金字塔「ぼのぼの」の、いがらしみきおの手になる阿鼻地獄。叫喚と縁遠い奈落がもっとも怖い。


「おまえ、ぜったいきゃりーぱみゅぱみゅ、好きだろ」
「は?なにそれ」
「知らないの、きゃりーぱみゅぱみゅ」
「だからなにそれ」
「モデルだよ、お前ぜったい好きだよ」
「顔が?」
「顔もだし、なんか、キャラ全体的に」
「へー、調べてみるわ」

本気の左翼

Frederick Hitoashi


■レオ=レオニ『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』(谷川俊太郎訳、好学社)を観了。
■レオ=レオニ『ひとあしひとあし なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし』(谷川俊太郎訳、好学社)を観了。


ブラゼル左翼に本気
YAHOO!ニュースの見出しにあった。
聞いたことのない学者だが、こんな時代だし、高らかに反定立の一つや二つをぶちあげたくもなるだろう。
時代的な孤高を引き受けるその覚悟に好感を抱き、詳細を確認しようと本文を読むためクリックしてみた。
次の瞬間、図体のでかい白人が苔色の芝生の上で、内野手に送球する写真が現われたのだった。阪神の選手であった。
ブラゼルは、「95キロの大きな体を揺らしながら外野の芝生の上で打球を追った。」(産経新聞)らしい。
メンチカツだと思いこんで口に入れたら、コロッケだったときのささやかなパニック。
私もブラゼルもまだまだ平和である。

犬と暮らす家々

Bluevalentine Blackswan


■デレク・シアンフランス『ブルーバレンタイン』(バップ)を観了。
■ダーレン・アロノフスキー『ブラック・スワン』(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)を観了。
いやはやナタリーも大きくなったなあ、と傑作「レオン」を思い出しながら伯父さんのような心持ち。


無知な飼い主がオスの愛犬にチョコレートを与える愚かしい様子など容易に想像がつくものの、実際には統計から分かるようにネギ類とチョコレートに関しては「ちゃんとおさえているよそのぐらい」と言わんばかりの高率。なるほど、なかなか頼もしい。
その一方で、鑑賞用ユリ以下との落差が激しいけれど、これはまあ、純粋な植物愛好家であり且つ愛犬家でもある母数を想定すれば、実際は高割合なんだろうなと、空想の「犬と暮らす家々」をチョコブラウニー食べながら具体的に思い描いてみた。
犬も猫も飼っていないし、今後も飼う予定すら露もない人間が。

○○することしかできないんす

Keizaimacro Keizaimicro


■石川秀樹『試験攻略 新・経済学入門塾Ⅰマクロ編』(中央経済社)を読了。
■石川秀樹『試験攻略 新・経済学入門塾Ⅱミクロ編』(中央経済社)を読了。
とても学びやすい。
ピザのデリバリーのバイトが終わったら、すぐさま夜っぴて彼女とセックスに勤しんで、寝ぼけマナコでキャンパスへ。
そんな経済学部の大学生が過ごす丸々4年間、小なり当該2冊、といったところである。


「演じることしかできない」
「描くことしかできない」
「歌うことしかできない」
こうした文辞あるいは発言が、震災以降よく聞かれるようになったと思うのは自分だけではないだろう。
この構文の最小単位は上記のようなもので、
「○○することしかできない」が原則的な文型である。
たまに主語が冒頭に挿入されて、
「私は、歌うことしかできない」
などと変化したり、時に間に副詞が入り、
「私は、やはり、歌うことしかできない」と変化することもある。
副詞が挿入されることで、ぐっと信憑性が増すことが分かる好例である。
また、現在形から過去形になることで、既に何らかの製品や商品が作成済みであると解することができる例も多い。
「私は、やはり、歌うことしかできなかった」
さらに語尾を少し詠嘆調に変化させれば、かなり完成された言い回しになってくる。
「私は、やはり、歌うことしかできなかったんですよねー」
主語を複数形にしてみてもいい。
「俺たちは、やはり、歌うことしかできなかったんですよねー」
言葉を変化させればそれだけイメージも、飴細工のように変化して行くのが面白い。
言語学が廃れずに永らえているのも、もしかしたらこんな単純な興味が下支えになっているからかも知れない。
後は文脈をそれっぽく付加すれば、かなり巧緻で小賢しく単なる金儲けが底意として着床している馬鹿丸出しの発言になる。

「あの大地震が起きてから、テレビとかで津波の映像がバンバン流れて、かなり悲惨な目に遭っている東北の人たちを見たんすよね。見れば見るほどなんか自分がどんどん小さくなっていくっていうか、自然の恐ろしさ、人間なんてやっぱ自然の前では、ほんとちっぽけな存在なんだなーって。それで俺、すぐAに電話したんすよ(ここでAとは発言者の所属集団内の構成員)。見てみろって。はい、見てみろって言いました。とにかくこのテレビの映像を目に焼き付けろって。俺たちがどんだけちっぽけな存在かが分かるから、今すぐテレビにかじりつけって言ったんすよ。それからかなり長い間、メンバーと色んな話しをしましたね。意外に思うかも知れないんすけど、普段はそんなに会わないこいつらとしばらく一緒に過ごしました。合宿みたいで楽しかったですね。で、やっぱりかなり語ったんすよね。色んなことを。いや、ほとんど人生についてです。でもどんだけ考えても答えなんてないんすよね(苦笑)。人生の答えなんて分かるわけないっすよ。でも一つだけ、これかな、って思ったことはありますね。今俺たちにできることは何なのか。人生の答えなんてそんなでかいことは分かんないけど、今、そうまさにこの瞬間、今俺たちには何ができるだろうって、考えた時、やっぱ、思いましたよねー。歌うことしか出来ないって。俺たちは、やっぱ、歌うことしかできなかったんですよねー」

初陣の川崎

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■川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)を読了。
訳者としての著者は知っていたが、良い仕事をされていると思った。
「世界商品」としての砂糖から世界史を俯瞰するアプローチ。台所の調味料棚で鎮座している砂糖への見方が変わる。


聖俗入り乱れる街、川崎にて新年会。
トップドランカー師匠に会うため、足軽たちが馳せ参ずる格好になった。
鳥貴族京急川崎駅前店で飲んで、川崎銀柳街のひもの屋へはしご。早朝麻雀のためトリス氏のみ終電で帰る。
清水橋の彼女と不穏な事態になっているIの話しに熱く義憤をたぎらせ、黒一刻の一升瓶をみんなでパカパカ飲む。
そういえば今夜はトリス氏の猥褻物が展示されなかったなーと考えながら一蘭川崎銀柳街店でとんこつラーメンをすする。
この間引っ越して我が家にぐっと接近したOと早朝の東海道で爆睡、起きたらもう小田原。これで名実ともに新年が明けた。

下の方がへヴィーだって聞くから

Panicroom_2 Red Photo


■デビッド・フィンチャー『パニック・ルーム』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)を観了。
■ロベルト・シュヴェンケ『RED/レッド』(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)を観了。
■トニー・スコット『アンストッパブル』(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)を観了。


午前、試験。終了してから渋谷へ歯の治療。ノらないことは一日にまとめてしまう。
食事だって自分はそうしている。ノらない野菜類を最初に食べる習慣は、もう完全に身体に馴致した。
小林先生の言をしっかり守って、自分としてはかなり前もって自主的に男らしく勇気を出して来たつもりだ。
歯間の虫歯治療は20分で終了。自分のものではないようなまだ麻酔の効いている上顎で歯科助手に笑いかける。
先生と簡単な雑談をしてのち、お礼を言い退出しようと立ちかけた時に、こうおっしゃった。
「Sさん、右下奥の親知らずが虫歯になりかけてます。残しててもメリットはないですね。時間的にはすぐ終わりますよ」
「いやー、そうですか、右下奥ですね。うわー、抜いた方がいいですか、やっぱり、黒くなってますか、やっぱり」
かつて我が上左右の親知らずを手際良く抜いて下さった先生は、にこにこしながらゆっくりうなずいている。
「決心がついたら来ます、お願いします」
どっぷりと弛緩した阿呆面で、まろび出て来たものの今回は指定期限がないため、真の男らしさが試されるのだ。男気が。

もうとっくに起きてるよ

Zetubowo


Hello Sleepwalkersというバンドがデビューアルバムを明後日リリースするそうだが、キャッチコピーはこうである。
目を覚ませ、ここからが夢だ
おおなるほどね、と思いながら至高のネスカフェ香味焙煎を飲んでいたら、記憶の深いところから呼び声がして書庫へ。
あらかた見当はついていた。
『絶望を愛した38の症例』(森雪之丞、角川書店)を開くと、やはりあった。
目を醒ませ―ここからが夢だ
一字ちがい。
「覚ませ」は何だか物理的で生理的に響いて、「醒ませ」は世界がぐわっと開く感じで劇的なイメージだな、とかつらつら。
こっそり借りちゃったのか、偶然の一致なのかは横においとくとしても、こんな例なんて枚挙にいとまがないんだろう。
柵の中で頭を時折衝突させながら戯れる獣みたいに、密室でとっかえひっかえの乱交みたいに、飽和しちゃってる哀しさ。
柵をぶっ壊して市街へ闖入する猛獣とか、密室の扉を開錠して裸のまま躍り出てくる変態を、みんなずっと待っているのに。

いっそノイローゼ

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■田村隆一『腐敗性物質』(講談社文芸文庫)を読了。
※ARにおける参考資料としても使用
「天使」「開善寺の夕暮れ」「保谷」(「言葉のない世界」)、「栗の木」(「緑の思想」)、「所有権」(「奴隷の歓び」)に震えた。
それにしても「荒地」という詩誌は、いま思えば奇跡といっていい。
「荒地」派がならしたこの国の詩的土壌が、今なお目下の果実を実らせ続けている。
こうした物言いに反発するとしたらそのような当代の詩人たちに興味深い詩人はいない。


検定試験の申し込みをする。
3月までの猛勉強に耐えねばならない。
いっそノイローゼになったほうが楽かもしれない。
と書いて、当然のように「いっそセレナーデ」を思い出して、とてつもなく切なくなる。真夜中だし独りだし。

女傑の結婚

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■ソフィア・コッポラ『ロスト・イン・トランスレーション』(東北新社)を観了。
■フランソワ・オゾン『スイミング・プール』(東北新社)を観了。


M山女史がついに入籍をしたとの報あり、何往復かメールのやりとりをする。
前職の後輩であり、同じ大学出身でもあり、本が好きなので、気性が合った。
いちいち朗らかな娘だったので、客対応はもとより社内のみんなから愛された。
仕事は早くて正確。Mちゃんに依頼した仕事であれば、客先に「どうだ」とばかりに胸をはって持って行けた。
飲みに飲み、語りに語り、オールにオール。ほんの1時間しか寝ていないのに、リポDでごまかす日々もあった。
良人は良人で、これまた快漢であり、T波卒の至れり尽くせり野郎だから、類はなんちゃらかんちゃらである。
残念ながら式には出席できないけど、別の河岸であなた方のだらしのないノロケ顔を拝ませて頂きたい。おめでとう。

おおつごもりにレディー・ガガ

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■森下くるみ『すべては「裸になる」から始まって』(講談社文庫)を読了。

とても素晴らしかったので、その感動の所感を送ったら、本の内容と同様に、飾らず素直な返信を頂いた。
こちらの書いた文章を細切れに仕分け、その聯ごとに反応を示してくれる体裁から、優しい人だなと思った。
このたび初めて知ったが、同郷であって、しかもかなり近い場所が互いの生家であることも分かった。
AV業界で一時代を築いた森下くるみだが、今では映画・文筆といった方面での活躍が目覚ましい。
今後の活躍を祈らずとも、才能ある者は、祈りの有無などものともしないだろう。

レディー・ガガが紅白に出ている。自分は黒松剣菱を飲みながら蕎麦を喰らって、今年のことを総ざらいしている。

AR 2日目

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ARの文藝にて私が取り上げた対象書籍(すべて本年読了分)。

■山本文緒『プラナリア』(文藝春秋)
■伊井直行『濁った激流にかかる橋』(講談社文芸文庫)
■丸谷才一『笹まくら』(新潮文庫)
※発表時には河出書房新社刊(1975年)を使用

二日酔いのまま、朝食ブッフェ。惰性で食い部屋に戻り二度寝。
テニナス横浜ワールドポーターズにてカシスティーソーダを飲み、持ち越しの会議。
無事に終了。お疲れさまでした。それにしてもビジネスモデルの案出に話しが及ぶとは。
赤レンガ前で遊ぶ者らを横目に帰途、ふたたび辛く色彩のない日常に舞い戻るためせっせと電車に乗る三々五々。

AR 1日目

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ARの人文科学にて私が取り上げた対象書籍(すべて本年読了分)。

■別役実『犯罪症候群』(ちくま学芸文庫)
■徐京植『ディアスポラ紀行―追放された者のまなざし』(岩波新書)
■佐々木中『切りとれ、あの祈る手を―<本>と<革命>をめぐる五つの夜話』(河出書房新社)

コーヒーの大学院、くいもの屋わん桜木町店、鳥伊勢にて飲食及び会議。
やはり国家論となるとみんな熱くなる。時間なんてあっという間に過ぎて行って、会議は初の翌日持ち越しとなる。
持ち越すことは分かっていたけれども、いかんせん飲みすぎた。ホテルの部屋が港向きであれば文句はなかった。

ARのお知らせ

◆2011年AR(研究報告会)開催のお知らせ

1.開催日時 ご案内日の15時より翌日15時頃までを予定
2.会場    ブリーズベイホテル(会議及び宿泊)
        コーヒーの大学院(会議)
        くいもの屋わん桜木町店(夕食)
3.主催    AR事務局
4.内容    人文科学及び文藝作品各々3作品の研究発表(レジュメは参加人数分ご用意ください)
        パネルディスカッション(コーディネーターはS.A)

当日は上記時間に桜木町駅へお集まり下さい。
有意義な報告会となるよう努めますので何卒宜しくお願い致します。

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